「ナツメグ」とは?その効果や使い方、また毒性・致死量・1日許容摂取量について解説!

「ナツメグ」というスパイスは、ハンバーグのレシピなどで良く見かけることがありますね。
その風味や効能について、ご存知ですか?使い方についてある程度の理解がある方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの「ナツメグ」は料理やお菓子の味を素敵に引き立ててくれる優れたスパイスなんです。

目次

今回は、その特徴や使い方、更には効果や毒性や致死量、1日の許容摂取量ご紹介します。
是非参考にしてみてくださいね。

ナツメグはどのような調味料?特徴を紹介。

ナツメグは、インドネシアのモルッカ諸島で生育する果実「ニクズク」から取れるスパイスです。
このナツメグは、シナモン、コショウ、クローブと並んで、世界的に有名な4つのスパイスの1つとされています。


ニクズクの外側の仮種皮からは「メース」と呼ばれる部分が取れ、その下の核を砕いて得られるのが「ナツメグ」です。

このように、1つの果実から2つの異なるスパイスが得られるのは珍しいです。
過去には、メースとナツメグが同じ植物由来のものだとは知られておらず、16世紀頃にはヨーロッパでメースとナツメグの争奪戦が行われたと言われています。

ナツメグにはほんのりした甘さとスパイシーな風味があり、肉料理の風味付けや野菜料理の味を引き出すのに使われます。
また、その甘みを生かしてお菓子作りにも利用されます。

ナツメグの名前の由来は、英語の「nutmeg」に由来します。”nut”(豆)と”meg”(ムスク)からなり、「ムスクの香りがする豆」を意味します。ナツメグは加熱することで香りが増し、甘みが引き立つ特性があり、その独特の香りが世界中の人々を魅了しています。

ナツメグはどのような料理に使われる?

ナツメグはその特有の香りと味わいから、さまざまな料理に使われます。
代表的なのは肉料理で、ハンバーグやロールキャベツ、ミートローフなどのひき肉料理の風味付けに使われます。
また、ホワイトソースやチーズフォンデュなどの乳製品料理にも適しており、まろやかな味わいに深みを与えます。

意外かもしれませんが、焼き菓子にもよく使用されます。
ケーキやクッキーなどの焼き菓子に加えると、甘くてスパイシーな風味がプラスされます。

また、野菜との相性も良く、幅広い料理に使える万能なスパイスです。

ナツメグの使い方ついて


ナツメグは、ひき肉料理や肉料理全般に広く使用されます。
その最大の特長は、素材の臭みを消し、旨みを引き出すことです。
さらに、ナツメグには野菜の甘みを増す効果もあるようです。

この記事ではナツメグの様々な使い道について紹介します。

1、ナツメグを用いて、ひき肉料理の特有の匂いを軽減。

最初に、ハンバーグ以外のひき肉料理にナツメグを取り入れてみましょう。
ロールキャベツやミートボールなど、ハンバーグと同じような調理方法を用いる料理には、既にナツメグを加える人も多いかもしれません。
しかし、メンチカツやミートソース、ドライカレーなどのレシピにもナツメグを用いることができるということを忘れがちかもしれません。

ナツメグは、ひき肉の独特の匂いを抑えながら、肉の本来の旨みを引き出してくれます。
通常のレシピに加えるだけで、味わいが深みを増すでしょう。
ただし、ナツメグを加えるタイミングには注意が必要です。ナツメグは加熱することでその甘味が引き立つため、下ごしらえの段階で加えるようにしましょう。

また、そぼろやつくね、麻婆豆腐などの和風や中華風のひき肉料理にも、ナツメグを取り入れることができます。
ただし、過度に使用すると少しエキゾチックな味わいになる可能性があるため、使用量には注意してください。

2、ホワイトソースやシチューにもナツメグを

料理にナツメグを取り入れると、ホワイトソースやシチューなどの乳製品ベースの料理に独特の香りとコクが加わります。

このナツメグは、乳製品特有の臭みを抑えるのにも役立ちます。
ナツメグの使用タイミングは料理によって異なりますが、例えばクリームシチューでは、臭みを軽減しつつ香りを楽しむために、仕上げに少量振りかけるか、牛乳を加える際に一緒に混ぜて煮込むことができます。
また、チーズフォンデュにも仕上げにナツメグを加えることで、より本格的な味わいに仕上げることができます。

3、ナツメグは野菜の特有な匂いを和らげる助けになる。

ポテトサラダやコロッケを作る際、じゃがいもの独特な匂いが気になったことはありませんか?そのような場合に、ナツメグを試してみることをお勧めします。

ナツメグは、じゃがいもの特有な匂いを消し去り、その甘さを引き立てるため、風味豊かで深い味わいに仕上げることができます。
グラタンやマッシュポテトなど、じゃがいもを使用する料理には、ナツメグを積極的に取り入れてみましょう。


ほうれん草もナツメグと相性が良い野菜の一つです。
爽やかなナツメグがほうれん草の特有な匂いを中和し、自然な甘さを引き立てます。
ほうれん草のソテーやキッシュにも、ナツメグを加えてみましょう。

野菜炒めにナツメグを振りかけると、スパイシーで風味豊かな本格的な味わいに仕上がります。
いつもの味付けに飽きた時は、ぜひこちらも試してみてください。

4、ナツメグ、お菓子作りにもぴったり!

ナツメグは普段おかずに使われるイメージが強いけれど、実はお菓子にも相性抜群なんです。
加熱するとさらに甘みが引き立ち、クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子には素敵な香りを添えてくれます。
海外ではナツメグを使ったスイーツもポピュラーなんですよ。

使い方のポイントは、クッキー20〜30枚に対して小さじ1/4程度、18cmのパウンド型ケーキには小さじ1程度。
薄力粉と一緒にふるいにかけてから他の材料と混ぜ合わせて生地を作ります。
シナモンやクローブ、ジンジャーなど他のスパイスを加えると風味が深まります。
焼き上がったお菓子は手土産にも喜ばれそうです。

まとめると、ナツメグは肉料理からお菓子まで幅広く活躍します。
食材の臭みを和らげたり、風味をプラスしたり、甘みを引き立てることができます。
ハンバーグだけに使うのはもったいないですね。
今日のお料理にナツメグを取り入れてみてはいかがでしょうか?

ナツメグについて

エネルギー値は高めです。
以下では、ナツメグの内容と健康上の効果について紹介します。
ナツメグは100グラムあたり559カロリーと、高カロリーですが、通常その量を摂取することはありませんので、エネルギー摂取量についてあまり心配する必要はありません。

ナツメグの主成分
ナツメグにはビタミンB1やB2が多く含まれています。
また、銅やマンガンも多く含んでいます。
また、ナツメグの特有の香り成分はピネンなどと呼ばれ、これはヒノキやスギなどの森林の香りと類似していると言われています。

ナツメグの効果


ナツメグの健康効果にはさまざまなものがあります。
ここでは主に4つの健康効果を紹介していきます。

ナツメグの健康効果①

口臭予防効果
ナツメグには口臭予防効果が期待されています。
これはナツメグに含まれるオイゲノールという成分が口臭の原因菌を殺菌する働きを持っているためです。

市販の口臭対策商品にも
ナツメグに含まれるオイゲノールは、市販の口臭対策商品にも使用されています。
オイゲノールを含む口臭対策のマウスウォッシュなども市販されています。
そのため、口臭が気になる人にはナツメグがおすすめです。

ナツメグの健康効果②

胃からの口臭予防
ナツメグは消化をサポートし、胃の正常化を促す効果があります。
この効果により、胃からの口臭を予防することができます。

胃腸系の正常化
また、ナツメグは食べ過ぎや胃もたれを和らげる効果も期待されます。
これにより、便秘の改善や胃腸の症状の緩和が見込まれます。
そのため、胃腸の弱い人にも適しています。

食欲増進
さらに、ナツメグには食欲増進の効果もあります。
これはナツメグに含まれるミスチリンの働きによるもので、特に食欲不振のときに効果があります。

ナツメグの健康効果③

リラックスと疲労回復
ナツメグにはリラックスや疲労回復の効果も期待されます。
これらの効果はナツメグの香りがもたらすもので、アロマとしても使用されています。

快眠効果
また、ナツメグには身体を温める作用があり、快眠を促す効果も期待されます。
ナツメグをホットミルクなどに加えて摂取する方法が推奨されています。

ナツメグの健康効果④

痛みの緩和
ナツメグには痛みの緩和効果もあります。
ナツメグは古代中国では鎮静剤としても使用されていました。
患部に直接ナツメグを塗布することで、炎症や腹痛などの症状を和らげることができます。

白血病やアルツハイマー病への効果
さらに、ナツメグには白血病やアルツハイマー病などの疾患に対する効果も期待されています。
これらの効果は、ナツメグに含まれる特定の化合物によるものであり、重要な健康上の利点と言えます。

「ナツメグ」には毒性も


ただ「ナツメグ」というスパイスは、摂取量を過剰にすると死亡することもあるほど、注意が必要なものです。


ひき肉料理や乳製品を使った菓子の臭いを消すために使われることがありますが、一般的に使われる香辛料なだけに、安全性についての知識が不足しているため、中毒症状が起こることがあります。

使用量に気を付ければ安全ですが、ここではナツメグの毒性や致死量、1日の許容摂取量について紹介します。

ナツメグの中毒性は一般的に知られており、自傷行為やドラッグの代替品として使用されることがあります。

その中毒症状の原因となるのは、揮発性油成分であるミリスチシンやエレミシンです。

これらの成分は、過剰摂取すると精神作用を引き起こし、抗コリン性の症状も発生します。

毒性があると言っても、直接的な毒物ではなく、過度の摂取が副作用のような反応を引き起こすという言い方が理解しやすいかもしれません。

ナツメグの過剰摂取による症状について

ナツメグを食べ過ぎることで引き起こされる症状は、アセチルコリンの抑制によって生じるものであり、これによって消化管や分泌活動の低下が見られます。

抗コリン薬は副交感神経を抑制し、乗り物酔いや胃腸の問題、尿漏れなどの治療に用いられますが、ナツメグの中毒症状は抗コリン作用の成分が含まれているわけではないため、これらの薬と同様の効果を持ちません。
ナツメグの摂取と抗コリン薬は異なるものです。

ナツメグの過剰摂取によって引き起こされる症状は次の通りです。

・循環器系:頻脈、胸部の圧迫感、低血圧、ショック症状
・呼吸器系:速く不規則な呼吸
・神経系:長時間にわたるめまい、興奮、不安感、頭痛、幻覚、幸福感、四肢の力の抜け具合
・その他:口の中の乾燥、嘔吐、縮瞳

幻覚や幸福感などの神経症状を求めて、ナツメグを大量に摂取する例もありますが、ナツメグの過剰摂取は死亡例も報告されています。

ナツメグの1日の適正摂取量と致死量について

成人の場合、ナツメグの中毒量は5グラムから10グラムとされています。
これにより、呼吸困難やめまい、幻覚、嘔吐などの症状が現れることがあります。一般的には24時間以内に回復しますが、場合によっては2〜3日かかることもあります。

日本中毒情報センターによると、8歳の男の子がナツメグの実2個を摂取した後、24時間後に死亡した事例が報告されています。
そのため、小さな子供の場合でも少量の摂取であっても、医師の受診をお勧めします。
※参考資料:日本中毒情報センター 保健士・薬剤師・看護師向け中毒情報

ナツメグの使用に関する注意事項

ナツメグの中毒症状が現れた場合、適切な処置が必要です。
自宅で行える措置として、摂取したナツメグを吐き出すために「催吐」を試み、その後速やかに医療機関を受診しましょう。

症状は通常、24時間以内に改善すると言われていますが、場合によっては2〜3日かかることもあります。

さらに、ナツメグ中毒の場合、血液検査などの数値が正常でも症状が現れることがあります。
そのため、病院での診察時には、ナツメグの過剰摂取を報告することが重要です。
そうしないと、原因不明の状態として扱われることがあります。

まとめ

今回は、「ナツメグ」の特徴や使い方、更には効果などを紹介しました。
そして普段の料理においてはナツメグの使用量に大きな問題はありませんが、過剰摂取すると中毒症状が現れる可能性があります。
例えば、カレーを作る際にナツメグを多量に使用する場合などに注意が必要です。

安全な範囲内でナツメグを楽しんでください。

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