【鳥貴族】は居酒屋大手チェーン店です。
メインは国産鶏肉の「焼き鳥」を税込み350円均一で食べられることですね。(写真は拡大表示出来ます)
(出典元:食べログ)
とは言え、誰もが知ってる通りコロナのダメージを最も受けた業種でもあります。
2020年5月には居酒屋「甘太郎」などを展開するコロワイドは、不採算の196店舗を閉店する方針を明らかにしました。
同じく居酒屋大手の「和民」も居酒屋業界に未来は無いとして、多くの店舗を新業態として焼肉業へ展開しています。
では【鳥貴族】はどうなのかを店舗数の推移から見ていくことで分かるかと。
それではまず、【鳥貴族】の店舗数の推移を2016年の4月から見ていきたいと思います。
(データはバフェット・コードで「鳥貴族ホールディングス」の月次報告書を元に作成)
2016年
4月:466店舗 5月:471店舗 6月:479店舗 7月:492店舗 8月:495店舗 9月:495店舗 10月:497店舗 11月:502店 12月:510店舗
2017年
1月:512店舗 2月:515店舗 3月:522店舗 4月:529店舗 5月:541店舗 6月:550店舗 7月:567店舗 8月:570店舗 9月:575店舗 10月:587店舗 11月:596店舗 12月:602店舗
2018年
1月:607店舗 2月:610店舗 3月:615店舗 4月:625店舗 5月:635店舗 6月:644店舗 7月:665店舗 8月:666店舗 9月:672店舗 10月:674店舗 11月:679店舗 12月:678店舗
2019年
1月:678店舗 2月:678店舗 3月:665店舗 4月:660店舗 5月:659店舗 6月:659店舗 7月:659店舗 8月:659店舗 9月:659店舗 10月:659店舗 11月:651店舗 12月:650店舗
2020年
1月:647店舗 2月:641店舗 3月:641店舗 4月:639店舗 5月:639店舗 6月:634店舗 7月:629店舗 8月:626店舗 9月:624店舗 10月:622店舗 11月:622店舗 12月:622店舗
2021年
1月:622店舗 2月:622店舗 3月:619店舗 4月:617店舗 5月:616店舗 6月:616店舗 7月:615店舗 8月:615店舗 9月:615店舗 10月:615店舗 11月:615店舗 12月:615店舗
2022年
1月:615店舗 2月:615店舗 3月:615店舗 4月:616店舗 5月:617店舗 6月:617店舗 7月:617店舗 8月:622店舗 9月:624店舗 10月:626店舗 11月:627店舗
ただ「鳥貴族ホールディングス」の全店売上となっており2021年8月に新業態として開店した「TORIKI BURGER 大井町店」と2022年3月に2号店の「TORIKI BURGER 渋谷井の頭店」も含まれるかは定かではありませんが、店舗数だけを見ていると良く踏ん張ったなと言う印象ですね。
実際に数字だけを見ると2018年11月の679店舗まで増加しましたが、実はそれ以降【鳥貴族】は店舗数を減らしておりコロナが流行する前から居酒屋として苦戦していることが分かります。
理由として若者のアルコール離れが原因と言われていました。
そこにコロナが追い打ちをかけたということになります。
2020年4月の「鳥貴族ホールディングス」の全店 売上(前年同月比)は何とわずか3%です。
おそらくは「鳥貴族ホールディングス」創業以来体験したことはなかったはずです。
その後も客足は戻らず2020年の全店 売上(前年同月比)はずっとマイナスで2021年になると更に悪化します。
2021年1月は27% 2月=31% 3月=54% 4月=931%(2020年は3%だったので参考にはならず) 5月=40% 6月=17% 7月=37% 8月=16% 9月=8% 10月=66% 11月91%
2021年12月以降はすべて100%超えです。
何よりすごいのは、ここまで悲惨な数字にも関わらず【鳥貴族】の店舗数推移は2020年10月から2021年2月まで5ヶ月622店舗と踏ん張っていること、そして2021年の7月から2022年の3月まで615店舗を9ヶ月間維持し続けたことです。
そして4月以降は店舗数は増加に転じます。
売上が壊滅的であるのに【鳥貴族】の店舗数は最小限の閉店で店舗数を維持したのはすごいことですね。
そして4月以降は店舗数を増やしています。
大手居酒屋を運営してる「コロワイド」や「和民」は大量閉店したり新業態へ方針転換したりしましたが、【鳥貴族】は悲惨な状況が続いても耐えに耐えてようやく復活しようとしています。
さらに【鳥貴族】は「やきとり大吉」をサントリーホールディングスの100%子会社である「ダイキチシステム株式会社」の全株式を取得し子会社化しました(2023年1月4日)
「やきとり大吉」のブランド名は残るものの【鳥貴族】と「やきとり大吉」の親会社は「鳥貴族ホールディングス」になるので「やきとり大吉」の店舗数約520店舗を合わせれば何と1,100店舗数の居酒屋チェーン店となります。
コロナ前の2019年~2021年の決算(7月)では純利益はマイナスでしたが2022年にはプラスに転じました。
ある意味「コロワイド」や「和民」などライバルの店舗が大きく減ったことで、今はその恩恵を受けていると言えるのかもしれません。
しかもまだ居酒屋業界は客足が戻っていない状況です。
そうなるとアフターコロナを見据えて【鳥貴族】の店舗数を維持したことや、「やきとり大吉」を子会社化したことは今後の強みになるかもしれませんね。
そして【鳥貴族】の食べ放題や飲み放題の「トリキ晩餐会」も条件付きですが強みです。(写真は拡大表示出来ます)
(出典元:食べログ)
今や当たり前になっている【鳥貴族】のテイクアウトも好評です。
また【鳥貴族】の営業時間は店舗によって違うので公式ホームページを見てから行くと良いでしょう。
いずれにせよ、これからの【鳥貴族】の動向には注目ですね。
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