【てまえどり】とは文字通り商品棚に陳列されている(例えばコンビニにあるおにぎりとか)商品の手前から取っていきましょうと言う運動です。(画像は拡大表示できます)
(出典元:環境省)
理由としては、商品棚に陳列してある商品は基本的には消費期限・賞味期限が手前の方が短く、奥に陳列されている商品が長いからです。
特におにぎりなどすぐに食べる商品は手前から取ることにより『食品ロス』にもつながることから、【てまえどり】はセブンイレブンをはじめとする各種コンビニやスーパーでも取り組みが進んでいます。
コンビニ4社(セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソン)で取り組みを決めましたが、特に【てまえどり】はセブンイレブンが力を入れている印象です。(写真は拡大表示できます)
(出典元:セブンイレブン)
昨今、『食品ロス』問題は世界は勿論ですが日本でも注目を集めています。
そうした中で消費者庁は食品ロス削減に向け、農林水産省、環境省、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会と連携して【てまえどり】運動を2021年6月1日から勧めていくことを取り決めしました。
そうした面で【てまえどり】の運動は、販売期限が過ぎて廃棄されることによる食品ロスを削減することを目的としています。
コンビニ最大手のセブンイレブンは【てまえどり】を『サステナビリティ』の一つとして取り組んでいます。
『サステナビリティ』とは英語で「Sustainability」というつづりになり「sustain(持続する)」と「ability(能力)」の二つをかけあわせた言葉と言われていて「持続可能な」と意味になります。
「持続可能な」とは、自然環境や社会、健康、経済などが良好な関係を保ちながら共存し、将来にわたって現在の価値を失うことなく発展し続けていくことを目指す考え方のことです。
その一環として『食品ロス』問題として【てまえどり】運動で購入してすぐに食べる場合には手前の販売期限が迫った商品を選ぶようにしましょうということになります。
と【てまえどり】運動は『食品ロス』につながるわけですが、実際には【てまえどり】効果は芳しくはないようです。
やはりすぐ食べるとは言っても、商品棚に陳列してある商品の手前は誰かが手にとって買わずに戻した可能性もあります。
コロナ禍ではやはりそう言った部分はどうしてもデリケートな問題です。
そして、どうせなら販売期限が迫った商品よりは新しい商品を買いたいというのが消費者心理です。
秋田県で行ったアンケートでも【てまえどり】効果は浸透していないのがわかっています。
それどころか「野菜などは鮮度の良いものを選ぶのが当たり前なのに、なぜ古いものを買わなければならないのか」などの声がインターネット上などで上がっている。と言う否定的な意見もあります。
そして【てまえどり】はうざいと言った意見につながります。
やはりきれいごとだけでは上手くいかず、それを押し付けてることで【てまえどり】はうざいと思われてしまうのです。
勿論【てまえどり】を心がけている人も実際にはいます。
ただ、そうした人は圧倒的に少数派になります。
同じ商品なら、どうしても新鮮な方を選ぶのが消費者心理であることはどうしようもないことです。
そうなると【てまえどり】運動には、なにか付加価値を付けることが必要なのではないでしょうか。
たとえば商品棚に陳列してある販売期限が迫った商品は値引きするとかです。
スーパーでよく見かける販売期限が迫ったお弁当や惣菜などは値引きシールが貼られています。
【てまえどり】も販売期限が迫った商品を値引きすることで効果はあると思います。
そもそも【てまえどり】自体の知名度は低いのではないでしょうか。
『食品ロス』という言葉は知っていても【てまえどり】は知らないという人も多いでしょう。
まずは【てまえどり】は『食品ロス』につながることをもって認知してもらうことが大切ではないでしょうか。
消費者庁は【てまえどり】を進めるためにも何かしらのキャンペーンを実施したりということも必要でしょう。
コンビニ4社も単に【てまえどり】のポップを商品棚に貼るだけでなく、【てまえどり】の効果として新しく商品を陳列する際に前の商品は多少の値引きをすることで付加価値があがり、結果【てまえどり】運動の普及につながることになるでしょう。
【てまえどり】運動自体はすばらしい取り組みであることは間違いありません。
あとは【てまえどり】することのメリットを提示していくことが必要でしょう。
そしていつか【てまえどり】することが当たり前の日が来ると良いですね。
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