最近注目されている【昆虫食】のメリットやデメリットはどれほどある?

数年前から少しづつ人気になりはじめている【昆虫食】ですが、2020年に無印良品から販売された「コオロギせんべい」の大ヒットにより一気に注目度は上がりました。(写真は拡大表示できます)

(出典元:TAKEO
【昆虫食】とは文字通り昆虫を食べることですが、やはり【昆虫食】のデメリットである見た目とは裏腹に高タンパクな食品として有名です。
その量は牛肉のおよそ2倍と言われています。


更に山口大学の研究により昆虫にアスタキサンチン、βカロテンという『カロテノイド』が多く含まれていることも分っています。

そして【昆虫食】は世界的にも注目されています。
なぜでしょうか?

国連人口基金(UNFPA)によると2022年の世界人口は79億5400万人で、2050年には世界人口は100億人に迫ると公表しています。

日本では少子化問題もあり人口は減っていますが、世界規模で見ると人口は増えています。

そこで懸念される問題は「食糧不足問題」と「環境破壊」です。
人口が増えれば当然ながら食料品の不足分を補うために農地や牛や豚、鶏などを飼育する場所が必要となり、その土地拡大に伴う森林伐採や水資源の大量使用による環境破壊が問題視されています。

更には牛や豚、鶏などを飼育する場合は大量に必要とされる家畜の餌をどのように確保するのかも課題となります。

実際に地球の土地には住む場所や、食料品維持のための場所には限界があるのも事実です。

実際に国際連合食糧農業機関(FAO)は2013年、「昆虫が今後の食糧になり得る」というレポートを発表したくらいです。

【昆虫食】についていきなり壮大なスケールの話になってしまいましたが、【昆虫食】とはそれだけのポテンシャルを秘めていると言えますね。

実際に日本でも昆虫料理研究家の人も居れば、昆虫食専門店もあり更には【昆虫食】の自動販売機も日本の各地にあります。
とは言え【昆虫食】の自販機は現時点では好奇心で買う方が多いのが現状です。

やはり【昆虫食】のデメリットの一つである見た目の心理的要因があるかと思います。
日本人には虫自体が苦手な人も多く、その為【昆虫食】は流行らないという人もいますが、先程紹介した無印良品から販売された「コオロギせんべい」は大ヒットしています。(写真は拡大表示できます)

(出典元:無印良品

上記写真のように見た目が虫の形をしていなければ、比較的抵抗なく健康食品として【昆虫食】を食べられることになりますね。

見た目の心理的要因が無ければ、「コオロギせんべい」が大ヒットしていることを見ても【昆虫食】は流行らないということは無いかと言えますね。

ただ他にも【昆虫食】のデメリットとして価格が高いと言うことがあります。
これは市場に【昆虫食】が普及することで解決すると思っています。

普段、昆虫は自然の中に住んでいます。
その為、農家で農薬などの使われた植物を昆虫が食べている可能性もあるため、昆虫の体に農薬などの化学物質が残る可能性もあります。


日本で販売されている【昆虫食】は養殖したものです。
まだまだ【昆虫食】を食品として販売しているメーカーは少ないと言えます。
【昆虫食】が人気となれば大手メーカーの参入で養殖の場所も増えるため、価格も安く提供出来ると思います。

養殖の場所が増えるなら始めに書いた土地問題や餌の問題と矛盾するように思えますが、まず 昆虫養殖は畜産ほどに土地を必要としません。

理由として昆虫料理研究家の内山氏が下記のように説明しています。

そもそも、昆虫は食糧として最適な食材です。例えば、「飼料効率の良さ」があげられます。コオロギの肉を1kg増やすために必要な餌は約1.7kgですが、鶏の場合は2.5kg、豚は5kg、牛は10kgと、他の家畜と比べ昆虫は圧倒的にコストパフォーマンスが良いんです。また、牛や豚の可食部は40%とされていますが、コオロギは100%と、その全てを食べることができます。また、昆虫は養殖時にメタンガスや二酸化炭素などの温室効果ガスをほとんど出さず、養殖に必要な水や土地も少なくて済みます。なかには、家畜の糞を餌として育てられる種類がいるなど、非常にメリットが多いんです。
(引用元:Think Blog Japan

と土地問題や餌の問題なども【昆虫食】のメリットの方が多いことになります。
上記の説明は、国連食糧農業機関(FAO)も同じような説明がされているので信憑性は高いと思います。

昆虫養殖なら【昆虫食】は安全に食べることが可能ですが、自然に住む昆虫を【昆虫食】として食べるのは危険と言えます。
前述の昆虫の体に農薬などの化学物質が残る可能性もそうですが、毒を持っている昆虫も中には存在しますので、自然に住む昆虫は【昆虫食】として危険な食べ物になります。

世界では【昆虫食】の死亡例も報告されています。

分かっている【昆虫食】の死亡例は3例です。

①2012年10月の初めにアメリカフロリダ州で行われた「生きた昆虫早食い大会」=原因は、胃内容物が気管へ入った事での窒息死
②2016年4月コガネムシを食べた男性3人が食中毒、2人死亡=原因は自然に住んでいる昆虫のためなのか加熱処理不足なのか原因の特定は公表されていません。
③2018年11月ナメクジ食べた男8年闘病の末に死亡=原因はナメクジの寄生虫「広東住血線虫」

【昆虫食】の死亡例は①と③は生で食べたことや早食いが原因であり②の例は原因を特定していないので安易なことは書けません。

ただ市販された【昆虫食】の死亡例はありませんし、国連食糧農業機関(FAO)では

昆虫が他の食材のように衛生的な環境で扱われる限り、病気や寄生虫が人間に伝染された事例は知られていません。(引用元:国連食糧農業機関(FAO)

とあります。
そして昆虫を食糧として認めることを明記した法律が、2018年1月に欧州にて「EU新食品規定」として施行されています。

気を付けておきたいこととして「甲殻類アレルギー」の人にとっては【昆虫食】は危険な食べ物になります。
昆虫は無脊椎動物なので、エビやカニなどの甲殻類と同じような成分が含まれている可能性があるからです。

人口増加による「食糧不足」と「環境破壊」問題の解決に重要な役割を果たすと世界的に期待されている【昆虫食】にはここから更に注目を集めることでしょう。

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